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不死の脅威

アンデッドとは、死を迎えたにも拘らず、再び生命を宿し活動する、超自然的な存在のことです。
ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』で「The Un-Dead」が初めて使われました。

各国の伝説や伝承等に登場する架空の存在ですが、現在では「アンデッドモンスター」として、ホラーやファンタジー系のアニメやゲームに度々登場しています。

アンデッド系といえば、夜行性で、墓地や廃墟などを住みかにしていることが想像できるかと思います。
生ける者を襲い、同種のアンデッドにすることで、増殖するものがほとんどです。(ヴァンパイアの場合、犠牲者を低級アンデッドにし、自身の従僕にする)

そのほとんどが、太陽光や十字架、聖水などを嫌い、弱点となる場合があります。
いかなるアニメやゲーム、映画でも共通の弱点として設定されていると思います。

で、そのようなアンデッドたちを、自らの手足として操る者がいます。
あらゆるアンデッドモンスターを蘇生させる術を「ネクロマンシー」(死霊魔術)といい、それを行使する者を「ネクロマンサー」「ゾンビマスター」と呼びます。
ファンタジー小説などでは、生死を弄ぶ悪役として登場していますね。

ゾンビを倒しても無限に増殖・復活することで襲い掛かって来るわけですが、弱点としては張本人であるネクロマンサーを倒すことができれば、ゾンビ復活を阻止することができます。
・・・何事も、「元を断つ」ことの教訓ですね。
しかし、死霊使い自らがアンデッドとして復活するパターンが多いため、そう簡単にはいきません。

ちなみに、ネクロマンシーこと死霊魔術は、実際に存在しています。

元々は死体を使った占いの総称で、あらゆる情報を得るために死者の魂を呼び出し、未来や過去のことを聞き出すというもの。
比較的新しい死体を用意し、呼び出した霊魂を乗り移らせます。
文献によると、死体に入った霊魂のほとんどは、低級なデーモン(死霊・悪霊の類)や精霊(エレメンタル)の場合が多かったそうです。

ちなみに、死体を用意せずに、霊魂を身体に乗り移らせることを「影占い」と言いますから、死霊魔術とは別個になります。

もっとも、これらの占いは「黒魔術」の一種として扱われ、当時から弾劾される対象でした。

・・・今で言うネクロマンサーは、死体からゾンビやスケルトンを作り出す魔法使いとされていますが、これは死霊崇拝(ブードゥー教など)がモチーフになっていますね。
とりあえず、現実と架空の死霊魔術は、多少異なるということです。

では、有名どころのアンデッド系を紹介したいと思います。
以下はwikiより参考・引用していますが、いくつか文章修正しています。

★死体
☆ゾンビ
肉体が朽ち果て、腐敗の進行した死体が活動を再開したもの。主に墓地や廃墟などを徘徊する。「リビングデッド」などと呼称する場合もある。

☆スケルトン
白骨化した死体が活動するもの。ゾンビよりも弱い下級モンスターとして扱われる場合と、倒してもすぐさま再生復元する手強い敵として描かれる場合がある。

☆キョンシー
死後硬直を迎えた、比較的新しい死体が活動するもの。古代中国風の世界観を持つ作品や場所の場合は、ゾンビや吸血鬼に似た位置づけで登場することがある。

☆グール
アラブ諸国の伝承上の怪物であるが、日本ではアンデッドとして扱われている。「食屍鬼」と訳され、低い知性を持っている。死体を食べるゾンビであったり、死体を食べる人間が怪物化したものであったりと、位置付けは様々である。

☆マミー(ミイラ男)
全身に包帯を巻かれ、乾燥保存された死体が活動するもの。ピラミッドや古代遺跡など、古代エジプト風の世界観を持つ作品や場所で登場することが多い。呪いといった特別な力を持っていることが多い。

☆ワイト
元々は「人間」を意味する言葉で、スカンジナビアの伝承では人の姿をした悪霊。モンスターとしてのワイトは『指輪物語』に登場する「塚人」(en:Barrow-wight) が元になっており、王族など高貴な人物の死体に悪霊が取り憑いたもので、触れた者を昏倒させるなどの力を備えている。

★霊体
☆レイス
指輪物語に登場した指輪の幽鬼『ナズグル』が多くの場合元ネタとなっている。元々は高潔で有能な王だったが、指輪に囚われて生きたまま不死の怪物と化してしまった存在である。

☆ファントム
「亡霊」「幽霊」のこと。
強力だが幽霊屋敷など場所に縛られた存在として登場することが多い。

★その他
☆リッチ
本来は古代英語で「死体」を意味する言葉だった。作品上は生前強力な魔法使いや王だった人物のアンデッドと見なされる例が多い。
スケルトンやマミーに類似しているが別物と分かる存在であり、同時に霊体でもあるため普通の武器では傷ひとつ付けられない。

☆ヴァンパイア(吸血鬼)
人間と同等以上の高い知性を持ち、血を吸った人間を下級ヴァンパイアに変え、下僕として従える。神の聖印(聖水、十字印など)により弱体化する。なお、作品によってはアンデッドではなく、悪魔や怪物の一種にされている。


欧米諸国ではゾンビやヴァンパイア、エジプトではマミー、中国ではキョンシー、アラブ諸国ではグール・・・。
日本の場合は、「妖怪」がそのポジションに当たるようですね。

wikiでは紹介されていませんでしたが、死神などもアンデッドの類いでしょう。
死神といえば、巨大な鎌が特徴的ですよね。
西洋では、死体が復活しないように、大きな鎌を首のところにセットし埋葬する風習がありました。どうやらそれが、死神と鎌が結びついた要因らしいのです。
生ける者を死へと誘うため、死神は馬(白骨化している)に乗り、姿を現すと言われています。
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生命の意味

昨日、十年目となるペットの金魚が寿命を迎えました。
私自身、小学生の頃に飼っていた猫が死んだ時と同じくらい、ショックを受けています。

仏教の教えでは、いかなる生命は「同等」であり、優劣は存在しないと説きます。
人間や動物、虫などあらゆる生物は、ひとつの海であり、自分の一部分だと考えます。

しかし、人間が生きていくためには、動物を犠牲にし、食べていかなくはなりませんね。
また、時には人間にとって害となる虫だって殺します。

そのことを理解する瞬間こそ、仏教が真に伝えたい事柄なのです。
「人間は他の生き物を犠牲にしなくては生きていけないこと」、「その犠牲となった生き物に対し感謝する気持ち」、「無意味な生命などは無いのだからできる限り殺生はしない」など。

とても当たり前のことなのですが、それに気が付くことに意味があります。

幼い頃、理由もなく虫を殺したことってありませんか?
はたまた虫ですら納まらず、小動物にも手を下した経験がある人もいるかもしれませんね。
・・・これは、仕方が無いことなのです。
無慈悲に殺された生き物は、あなたに「生命の大切さ」「やってはいけないこと」を伝えるために、存在した生命です。(意味の無い生命など無いことに気が付く)

その時のことを思い出し、心を痛めない人は、いないはずです。
常人であれば必ず、「あの時は悪いことをしてしまった」と潜在的に後悔するものですから。
殺生してしまったことに気付き、反省することができれば、彼らの生命は救われるでしょうね。
逆に、心を痛めない人こそ、生命の大切さを知らないわけですから、簡単に人を殺すことができるのです。
この法則は、間違いなく理に適っていると思いませんか?

さて、殺人事件や災害などに巻き込まれ、生命を落とす人たちがいます。
やはり、それら犠牲となった生命にも意味があるのです。(非常に不謹慎ですが)
人が犠牲となることで、初めて社会が欠点に気が付き、あらゆる制度や対策が用意されますよね。
例えば、大震災で亡くなった方々がいることで、生命の大切や絆、そして東電の権勢や社会の不備さを知る術となりました。

犠牲となる生命は、非常に残酷な運命ですが、これは現世に「正道」を伝えるための手段であり使命。
そう考えると、やはり意味の無い生命など存在しないことが分かるはずです。

・・・で、金魚の話に戻します。
以前もう一匹金魚がいました。(分かりづらいので、その金魚をA、昨日死んだ金魚をBとする)
金魚Aが病気にかかりぐったりしている時、金魚Bはそれを見て、金魚Aの側から離れようとしなかったことがあります。
そう、どうやら看病をしているらしいのです。
餌を与えても全く見向きもせず、金魚Aの側でじっと見守っている体勢でした。

・・・皆さん、信じられますか?
私は正直、驚きました。
金魚にも慈悲という感情を持っていたのですから。

結局金魚Aは病死(五年前)、そして昨日、例の金魚Bは死を迎えました。
おそらく金魚Bは、来世は人間として転生するのではないかと、個人的に思っています。(きちんと天寿を全うしている上に、金魚らしからぬ慈悲の心から察して)
そういった意味では、どんな生き物であっても、感情は存在するのでないかと思い、ないがしろにできずにいます。
それは同時に、「全ての生命はひとつである」という教えに納得がいくわけです。

ペットとは、自然界という厳しい環境を逃れる代わりに、自由と生命を人間に掌握されてしまった存在。人間の都合によって、ペットの生命は弄ばれることになる。

大切なペットを失ったショックと同時に、動物の生命を操作してしまう残酷さに気が付かされました。
しかし、真実は「愛を持って動植物を支配せよ」ということなのかもしれませんね。
人間にも、かつて皇帝や王がいたように、最高権力者が頂点に立ち、民の幸せを第一に考えなければならない天命がありました。
もちろん、現在も同じことが言えますが。

ゆえに、肉体から解き放たれたことで、自由と幸せを得られたのであれば、それはむしろ喜んで上げるべきなのかもしれません・・・。

以上の話を聞き、それでも「金魚一匹でなに語ってるの?」と思った人は、間違いなく、想像力の欠ける冷酷な人だと思います。

書籍紹介『後宮の世界』

『後宮の世界―仰天!歴史のウラ雑学』(著:堀江宏樹)を紹介します。
タイトル通り、世界中の後宮事情を書き記した雑学的歴史書で、禁断の愛物語がまとめられています。
・・・後宮で暗躍した人から歴史上有名人物まで幅広く扱っていますが、後宮そのものを紹介しているわけではありません。
いわゆる女性文化史として理解すれば、良いのではないかと思います。

憎悪や嫉妬、絶大なる権勢、同性愛、残酷な策略など、男女間に生じる様々な裏話を知ることができます。
個人的には、日本・中国編を楽しく読ませていただきました。
ヨーロッパ編は、私自身得意分野ではありませんが、今まで知らなかったことを学ぶことができ、得した気分になりました。
後宮の女性を扱っているので、案の定皇帝や権力者が登場し、おのずと西洋史を学ぶことができたという経緯です。

日本編については、後宮「大奥」の実体を、マイナーからメジャーな人物まで光が当てられており、日本史に疎い私でもとても勉強になりました。

古代日本の貴族文化では、常に美しいものを追い求めています。
彼らにとっての「究極の美」とは、実在するものよりもむしろ、理想化された世界そのものだったそうで。(現在で言うところの、二次元萌えのことでしょうか?)
また、「触ることさえ憚れる禁忌こそが美である」と、根付いていたようです。

・・・つまり、その「禁忌」とは、「同性愛」のことを言っています。
しかも、美少女ではなく美少年・青年こそが、超越的な「美」そのものとして、意識されていたとか。

そもそも日本の戦国時代などは、「衆道」と呼ばれ、男性同士が結び付くことはよくあること。(戦場に女性はいませんから、おのずと同性に・・・)
貴族文化で生まれた「美」というものは、少なからず武士たちにも伝わっていたのかも・・・?

中国編については、宦官や纏足女性なども紹介されており、あの「断袖」という言葉を生んだ哀帝と董賢のエピソードもあります。
余談ですが、漢時代の同性愛はむしろ、「オシャレで新しい」という認識だったそうで、六朝時代にはブーム化したそうです・・・。

さて、ヨーロッパ編について。
個人的に、イタリアの「カストラート」(去勢男性歌手のこと)やフランスの太陽王からマリー・アントワネットのことなどが、印象に残っています。
というより、この本書自体が、ヨーロッパ編に傾いています・・・。

で、カストラートについては、俗に言う宦官とは異なります。
むしろ、カストラートは貴族階級の人たちで占めており、少年時代の美声を保つため、去勢男子となるものです。(少年時代に去勢すると、声変わりしない)
あの音楽作曲家・ハイドンは、少年時代、去勢することを真剣に考えていたそうです。
美声を持つハイドン少年にとって声変わりとは、少年合唱団で得た職を失うことを意味していました。
しかし、結局カストラートとなる人生は頓挫します。
その代わり、彼は作曲家としての人生を歩み、数々の偉大なる作品を残しています。

・・・皆さん、彼がカストラートにならなくて、良かったと思いませんか?
当時はカストラート全盛期であっても、録音機材の無い時代。
ハイドンが大物カストラートになり、歴史に名を残したところで、現代人にその美声を聞かせることはできません。
それに、彼がカストラートとして活躍していたら、偉大なる作品たちはきっと生み出されなかったことになります。

と、本書でそのように説明されていましたが、全くその通りだと思いましたね。
生涯の間だけ栄華を極めるのも面白いと思いますが、やはり未来にまで貢献(作品を残す)することこそ、最も重要なのではないかと感心させられました。

とりあえず、ここまでにしておきます。

・・・失礼、前述の話は本書の一部に過ぎず、ほとんどの大部分は、男女間や女性関係の話です。
そういった意味でも、少し官能的な話(過激ではないと思う)が多いのですが、雑学的知識として吸収することができ、大変面白い勉強になると思います。
ぜひとも、興味を持った方は、読んでみることをオススメします。

人間というものは不思議で、他人の性生活に興味を抱くものなんですね。ましてや宮廷・後宮の裏話などには、目を見張るほど。
しかるに、会話のネタになることは、まずありえないと思います・・・。(こんな話をすると、完全に引かれますから)

漢字文化圏の事情

ご存知の通り、中国・台湾・日本・朝鮮半島・ベトナムは漢字文化圏。
その内、日常生活で漢字を使用しているのは、本家中国と台湾はもちろんのこと、日本だけとなりました。

ベトナムと韓国は、ほぼ漢字の使用がされなくなり、北朝鮮では公式に漢字廃止を宣言しています。
ただし、漢文の教育だけは行われています。

漢字文化圏とは、中国皇帝からの冊封を受けることで、中国の思想・制度・文化を取り入れてきた地域一体を指します。
ベトナムと朝鮮半島は、中国の属国だったため、消極的ながらも取り入れざるを得ませんでした。
しかし、日本の場合は、中国皇帝が日本天皇を認めたことにより、中国と「同格」になりました。つまり、日本は唯一中国に屈しなかった国です。

ところが、極東に位置する日本では、文化発展を参考にできる国が中国大陸しかありません。
そこで日本は、積極的に中国文化を取り入れることで、国家体制の基盤を確固たるものにしていきます。
ちなみに日本の場合、儒教・科挙・宦官制度だけは取り入れていません。(元々取捨選択に優れており、日本では馴染まないだろうと判断したのだと思う)

したがって、ベトナムと朝鮮半島は、半ば強制的に中国文化を取り入れていますが、日本の場合は、自国を発展するために、あえて取り入れてきたのです。

視点を朝鮮半島に向けます。
現在の韓国は、ハングル文字のみが使用されており、漢字の読み書きができない人が大半を占めています。(「大韓民国」を漢字で書けないそうです)

・・・察しの良い方は分かると思います。
そうです、だから今の韓国人は、捏造された歴史しか知らないのです。
東アジア史の文献・書物は、当然漢文で書かれています。
しかし、現在の韓国人はそれらを読むことができないため、真実を知りません。
韓国の教育では、「韓国は、唯一日本に侵略されたのが汚点だ」的なことを教えているそうで、国民は「中国の属国時代」を知らないというから、驚きです。(日本統治時代以降のみを教えているため)

で、そんな韓国政府は、中国の属国時代を払拭させたいためなのか、漢字を実質的に廃止しています。(公式ではありません)
韓国は、「世界で最も優れた文字はハングル」と誇張し、漢字廃止に至ったのだと主張しているようです。
中国のネットユーザーからは、「漢字は韓国が発祥だと主張していたのに、なぜ廃止する?」と皮肉を言われるほどです。

しかしながら、漢字という便利な文字を捨てるなんて、韓国も愚かなことをしたものです。
ハングル文字は、日本の平仮名と同じ役目になるのですが、漢字を失ったことで「読みづらい文章」になってしまったことは言うまでもありません。
しかも、同音異義語の場合には混乱を招き、また漢字だけでまとめられるものを、わざわざ長文で説明しなければならないそうです。
文章が稚拙化することもあり、漢字復活の動きもあったそうですが、やはり弾圧されています。

そもそも韓国の漢字復活は、非常に難しいと思います。
若い韓国人が、「大清国属」と記された国旗を誇らしげに掲げていた画像がありましたね。当然「大清国属」の意味を知らずに国旗を振っているわけです。
(太極旗のデザインは、中国清王朝の属国旗をほぼそのまま採用)
それほど、今の韓国人は、漢字が読めなくなっている証拠なのです。

・・・漢字が大変優れた文字だということが分かりますよね。(別に中国を褒めているわけではない)
実際、本や小説など、漢字のみに目を通して読み進めている人がいるそうです。漢字一文字でも必ず意味が含まれているため、読解できるわけですよ。

戦時中、日本でも漢字廃止論があったそうですが、やはりその議論は淘汰されています。
古代日本より使用されており、かつ大変便利な漢字をなぜ捨てる必要があるのかと、結論付いたようです。
それに比較し、優れた漢字を捨てることを選択し、自国のプライドを保持しようとした韓国は、とても哀れで仕方ありません。

ちなみに、日本語のひらがな・カタカナは、漢字を元にして作られたことは、知っていますか?
これも日本が得意としている独自アレンジですよ。
・・・もし漢字自体がなかったとすれば、ひらがな・カタカナも存在しなかったことになります。

日本の場合は、難しい漢字を書く時、カタカナで誤魔化すことができるから大変便利です。(当然中国は漢字で書かなくてはならない)
昔の電報などは、カタカナが使用されていますよね。
個人的に、カタカナ文章は暗号に見えてしまい、なかなか読み進められない自分がいます。

蛇足ですが、近代中国の漢字70%が、日本漢字の逆輸入ということを知っていますか?
今まで使われていた中国漢字は画数が多く大変複雑なため、比較的分かりやすい日本漢字に目を向けたわけです。

さて、今回の記事内容を、全て平仮名のみで記したとしたら・・・。
膨大な文章となり、一々文節を区切りながら読み進めなくてはなりません。
ええ、冒頭から読む気力が削がれることは、想像に難くないかと思います。

書籍紹介『最後の宦官秘聞』

『最後の宦官秘聞―ラストエンペラー溥儀に仕えて』(著:賈英華)を紹介します。
最後の宦官・孫耀庭が、皇帝・皇后・王侯貴族に仕えた記憶を辿った話で、それを中国の作家が代筆したものです。

大清帝国末期、ある貧しい村に生まれた孫耀庭は、金持ちを見返すために、宦官になることを決意。
(宦官になると、ある程度の立身は約束されるが、9割が下級宦官で終わる)
彼は、宦官になったものの、すぐには皇帝のいる紫禁城に入ることはできません。
まず、王府に入ることから始まり、最終的に皇帝や皇后に仕えることになります。

私はてっきり、宦官になれば必ず宮廷に配属されるものかと思っていましたが、そういうわけではなかったようです。
王府で皇族に仕えることが第一歩であり、そこから宮廷入りを志していきます。(宮廷入りにより、正規な宦官として認められる)
・・・といっても、王府に宮仕えできるかどうかも難しいようですね。

両親は、彼を宦官にしてしまった後悔もあってか、村の塾に通わせることにします。
その後、塾講師のツテによって、孫耀庭は王府に入ることができました。
宦官のほとんどは、読み書きができませんから、のちに彼は重宝されることになります。

で、何だかんだと困難がやって来るわけですが、どうにか紫禁城で仕えるまでになります。
しかし、紫禁城は、厳しい礼儀作法・規律(各王府とは桁違いの難しさ)が存在し、一歩間違えれば死罪に至るほどです。
まず、新入り宦官は、師父と呼ぶ上級宦官に仕えることから始まり、昼夜問わず近侍する必要があります。
孫耀庭は、どうにかそれらを切り抜き、各仕事をこなし、ついには皇帝・皇后に仕えることができました。
そして、清王朝、満州国、新中国と時代は目まぐるしく変わり、孫耀庭は身を持って波乱万丈な一生を経験していくことになります。

最終的には、中国政府からは国宝的人物に指定され、多くの人々から大事にされることになります。
孫耀庭は歴史の生き証人ですから、彼を訪れる人は中国人に留まりません。
あの映画『ラストエンペラー』の監督及び製作関係者も、実際に彼と会って、参考にしていたそうですね。

宦官については十分参考になりましたが、それと同時に、宣統帝・溥儀についても理解することができました。
溥儀といえば、どうしても日本の操り人形で、気弱で大人しそうなイメージがありますよね。
しかし、彼は非常に気性が荒く、捻じ曲がった性格をしていることが、本書により理解できると思います。
溥儀は、性的不能者もしくは同性愛者なのではないかと、よく囁かれていますよね。
皇后との不仲に関しても明らかですし、何より同性愛者というのは事実のようです。(彼のパートナーである使用人や宦官もいたようです)

紫禁城での生活は、とても面白く、大変興味深いものになっています。
一般的に、後宮奥深くに生活する皇帝や皇后、そして宦官たちの生態は謎に包まれているだけに、この本書は様々なことを知り得ることができます。

個人的には、紫禁城もそうなのですが、満州国での溥儀及び宦官たちの生活が気になっていましたが、それらも詳細に記されています。
満州国の宮殿「満州国帝宮」(日本天皇の「皇」に配慮し、皇宮とは呼ばない)での生活は、紫禁城の時よりも厳しく、まさしく生き地獄だったと語られています。
溥儀自身も猜疑心に蝕まれ、常に精神が乱れているのが印象的です。

・・・この孫耀庭という宦官は、つい最近まで生きていたことに驚かされると思います。
彼は、1996年12月に死去しています。(享年94歳)
余談ですが、宦官になると、長生きするそうですから、94まで生きていても不思議ではありません。
男性ホルモンが分泌されないことが影響しているそうですね。

宦官になり九死に一生を得た孫耀庭が、まず印象に残っていることは、癇癪を起こした溥儀に銃殺されかけたことを第一に思い出すそうです。
のちに溥儀は「あれは冗談だった」と笑いますが、孫耀庭は冗談のレベルではなかったと語ります。

詳細は、実際に本書を読んでいただければ、良いのではないかと思います。
多少、中国に関する知識が必要かもしれませんが、それらを無視して読み進めるのもアリだと思います。
しかしながら、本書を日本語訳してくれた方々に感謝しています!
・・・原文はかなり難しく、相当骨折りの作業だったそうです。

最後に、この本書を読んで知り得たことは、「人脈やツテは絶対に必要」だということです・・・。

プロフィール

霊睡蓮

名前:霊睡蓮
1989年生まれ/大分県/AB型
コノ怨ミ……晴ラシテミセル……
根に持つ性格で、受けた怨みは一生忘れない。
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