以徳報怨

老子の言葉に「以徳報怨いとくほうえん」(うらみにむくゆるにとくもってす)というものがあります。
恨みの相手であっても、復讐をするのではなく、 寛容な心で接するべきである、という意味です。
まさに、その言葉を表す、以下のようなエピソードがありました。

唐王朝、代宗だいそう皇帝の時代。
禁軍を司る宦官かんがん魚朝恩ぎょ ちょうおんは、素晴らしい功績をあげる武官・郭子儀かくしぎをひどく妬んでいました。

魚朝恩は、郭子儀の評判を下げようと、ある事ない事吹聴します。
そしてさらに、郭子儀の先祖の墓を掘り返すまでに到りました。(先祖の墓を掘り返されることは最大の侮辱)

朝廷の者たちは、きっと郭子儀は怒り狂うのではないかと、誰もがそう思いました。
しかし、郭子儀は一切そのことには触れず、何事もないように過ごしました。

気になった代宗皇帝は、郭子儀にそのことについて言及します。
郭子儀は、皆の前でこう言いました。
「先祖の墓を、掘り返されることを阻止できなかったのは、自分の過失です。今回の事件は私への報いです」

そんなある日。
郭子儀は、あの魚朝恩から招宴の知らせを受けました。

きっと郭子儀を謀殺するための宴に違いない、決して応じないようにと周りは言いました。
しかし、郭子儀は周りの反対を押し切り、わずかな兵を連れて宴に参加することにしました。

そして、郭子儀を迎えた魚朝恩は、そのわずかな護衛に驚きました。
魚朝恩の部下は、郭子儀が周りの進言を退け、宴にやって来たことを伝えます。

「私を全く疑うこともしないとは……あなた様はやはり大人物でございます」
魚朝恩は郭子儀の寛容さに感動し、これまでの無礼や嫌がらせ、敵対心を反省し、深々と頭を下げ詫びたのでした。
「お互い皇帝陛下に仕える者同士ですから、争い事は望みません」

改心した魚朝恩はその後、郭子儀のために、朝廷内から様々なサポートをするようになりました。


キリストの「あなたの敵を愛しなさい」のようなことは、普通の人間には中々できませんよね。
私が郭子儀の立場であれば、間違いなく「コ・ノ・ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ」と宣言し、報復していたことでしょう。

こういうエピソードを知るたび、自分は聖者にはなれないなと思いますが、目指そうとする気持ちが芽生えただけでも大きな成果だと思いました。
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霊睡蓮

霊睡蓮(レイスイレン)
1989年生まれ/大分県/AB型
コノ恨ミ……晴ラシテミセル……
根に持つ性格で、その恨みは呪いを以て晴らす。
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